春秋苑(民営墓地)の探訪・紹介コラム。著名人のお墓も紹介。

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こんなお墓がいいね!~掃苔日和~

第二回 民営墓地「春秋苑」篇

 第2回は「春秋苑」。日本で最初の民営墓地。昭和33年の開苑です。
新宿から小田原方面へ向かう小田急線の生田駅が最寄り駅、多摩川を渡ってすぐ、新宿から
25分の立地。アクセスは抜群です。

 

 ゴールデンウイークの休日、春爛漫の午前中に訪れました。今日も掃苔日和です。
正門近くのメモリアル「天翔の鐘」付近から墓地全体が見渡せます。とにかく広い。
丘まるごとが公園墓地です。東区・西区・南区・北区・中区・特別区と区分けされています。
俳優や映画スタッフが多く住み、東宝スタジオのある世田谷成城が近いためか、ここには多くの映画関係者が眠っています。

 

 階段を下り、てくてくと西区を目指します。まずは、映画監督、深作欣二のお墓参りです。思ったより広い中区を通りすぎ、少し汗ばみ始めた頃、ようやく西区にたどり着きます。
「サクさん」のお墓に手を合わせます。東映映画「仁義なき戦い」からのファンとしては、様々な思いが・・・。お墓はこじんまりしていて、とても上品。作風の激しさとは対照的です。激しく生きた分だけ、静かに眠られているような気がします。
東映京都撮影所のイメージが強いですが、もとは東映大泉撮影所で活躍していた監督で、ご自宅は成城でした。

 

 次に中区、東宝の映画監督、岡本喜八の墓へ。向かう途中、小説「人生劇場」の作家、
尾崎士郎のお墓に合掌。この作品は何と14回も映画化されました。
お墓の清掃をされている霊園管理の人たちとしばしば出会います。霊園はとても清潔で、植栽にも手入れが行き届いているようです。『ご苦労様です』と声をかけます。
岡本氏のお墓は、自筆サインが刻まれ、台石には顔のイラストとKIHACHI PRODUCTIONの文字が刻まれていました。「独立愚連隊」「江分利満氏の優雅な生活」等のユーモアのある
作風が偲ばれます。

 

 すぐ近くに、俳優、長門勇のお墓があります。テレビ時代劇「三匹の侍」が懐かしい。
一旦、正門に戻ってから、北区の三船敏郎のお墓へ。堂々とした佇まい、立派です。
三船氏が、戦後の日本映画を代表する俳優であることに異論を唱える人はいないでしょう。
確か成城にお住まいだったはず。三船プロダクションも成城にありました。

 

 前回の「青山霊園」が明治期の日本の礎を築いた人たちが眠っているとしたら、ここ「春秋苑」は戦前戦後を通じて昭和を行きぬいた人たち、私たちの親世代が眠っている場所です。
格式や重厚さより、親しみと懐かしさを感じる墓所でした。もちろん、ここも高級墓地。
もうひと踏ん張り、頑張らねばという気持ちにもなりました。

 

 「春秋苑」では、新区画(最終区画)の販売が始まっています。

 

春秋苑はこちら>>

 

ライター:OHSAMA

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映画監督 深作欣二が眠る「西区」

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映画俳優 三船敏郎が眠る「北区」

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新区画(販売中)の「中21区」