ご遺体の搬送の仕方・費用の目安、遠隔地や海外で亡くなられた場合、伝染病で亡くなられた場合の搬送について紹介。

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葬儀について

PART1 お別れの準備~故人への思いを込めて~

  • 1.ご遺体の搬送

1.ご遺体の搬送

病院から自宅や斎場まで、遺体を搬送するには?

病院からのご遺体の搬送は、葬儀社が対応してくれます。すでに依頼する葬儀社が決まっている場合は、 臨終後すぐに連絡して手配してもらいましょう。葬儀社が決まっていない場合は、病院と契約している葬儀社に搬送だけ依頼することもできます。 搬送に使われる車は、「寝台車」と呼ばれるバンタイプの車両か霊柩車になります。

病院の清算は忘れずに
ご遺体を搬送する前に、忘れてはいけないのが病院への支払いです。遺族の一人が残るか信頼のおける人にお願いするなどして、 きちんと清算を済ませておきましょう。
急な死亡や深夜の搬送なので持ちあわせがない場合は、清算方法を確認しておきましょう。

家族が遺体を搬送することはできますか?

遺体を無理なく搬送できる車両を確保できるのであれば、家族が搬送してもかまいません。 葬儀社など、遺体を営業目的で行う場合は運輸省の許可が必要となり、搬送用の車両は青ナンバーがつけられています。 しかし、営業を目的としない家族による搬送であれば、白ナンバー車両でも問題はありません。 逆に、依頼した葬儀社等が白ナンバーの車両であった場合は、運輸省の許可を取っていないことがありますので気をつけましょう。

遺体の搬送にかかる費用は?

全国霊柩自動車協会によると、搬送費用は基本料金が9,500円。これに走行距離10キロ単位で加算されます。
加算金額は、バンタイプの普通車両の場合で10キロまで2,730円、20キロまで4,860円。例えば、 病院からご自宅まで20キロ以内であれば、14,360円ということになります。
※葬儀社や地方によって金額が変わることもあります。目安とお考え下さい。

ポイント・葬儀費用の控除

葬儀に関する費用は、金額が相続税から控除されます。 申告する際は領収書が必要ですので、 忘れずに領収書をもらっておきましょう。通夜・葬儀の設営にかかる費用のほか、 ご遺体の搬送料、通夜ぶるまいや精進落としの飲食費なども控除対象になります。
ただし、葬儀後の法事費用などは対象になりませんので注意しましょう。

搬送に限らず、費用については事前にしっかり確認しておくことが大切です。
葬儀費用の控除の申告は税務署に相談してみましょう。

こんなとき、どうする?

■ 遠隔地で亡くなられた場合

単身赴任や、家・自宅から離れての一人暮らしなど、家族がバラバラに暮らす例が増えています。 自宅から離れた遠隔地で家族が亡くなった場合、死亡届は亡くなった場所の市町村役場に提出します。
ご遺体の搬送は、病院と契約している葬儀社に依頼すれば遠隔地でも搬送してもらえますが、家族が運転する車両で搬送することもできます。 距離によっては、航空機を利用することもできます。航空機を利用する場合の手続きについては、利用する航空会社に問いわせておきましょう。

知らない土地での手続きなどは、手間取ることがあります。

■ 海外で亡くなられた場合

日本国外で亡くなられた場合は、必要な書類や手続き、ご遺体の処理などが国ごとに異なります。まずは現地の日本大使館 (または領事館)に電話で問い合わせ、詳しく確認しておくことが大切です。
現地から遺体を引き取る際には、「現地の死亡診断書」や「死亡証明書」「火葬許可書」「埋葬許可書」などの必要書類を確認し、忘れずにもらっておきましょう。 帰国後、死亡届を提出する際などに、現地の書類が必要になります。
●ご遺体を自宅まで搬送する方法には、現地で火葬し遺骨として持ち帰る方法と、ご遺体のまま持ち帰る場合があります。

<遺骨として持ち帰る場合>
現地で火葬し、遺骨を持ち帰る場合は「手荷物」扱いになり、手続きや経費は、ご遺体のまま持ち帰るより軽減されます。 火葬の手続きについては、現地の日本大使館に確認しましょう。


<ご遺体を持ち帰る場合>
ご遺体をそのまま持ち帰る場合は、多くの国で防腐処理(エンバーミング)かドライアイスでの処理が義務付けられています。 エンバーミングによる宣誓供述書」や「非感染症証明書」「納棺証明書」など、遺骨として持ち帰る場合よりも煩雑な手続きや書類が必要になることが多いようです。 ご遺体は航空貨物として、棺に入れて搬送されます。この時、棺の中に遺品を入れることは禁止されていますので注意しましょう。

エンバーミングとは?

ご遺体に防腐処理などの衛生保全処理を施すことで、「エンバーマー」と呼ばれる専門技術者だけが行うことができます。 時間安置することが可能なため、海外や遠隔地で亡くなられた場合に行われることが多いようです。 処理時間は2~3時間程度で、費用は15~20万程度です。エンバーミングを希望する場合は、葬儀社に依頼すれば手配してくれます。 ただし、宗教によっては、エンバーミングを認めていない場合もありますので、注意が必要です。

■ 伝染病で亡くなられた場合

法定伝染病(コレラ・腸チフス・赤痢・ペスト・日本脳炎など)が原因で亡くなられた場合は、感染が広がるのを防ぐため、 病院から自宅にご遺体を搬送することはできません。
ご遺体は病院の霊安室に安置され、火葬の許可が下りしだいすぐに火葬されます。多くの場合、霊安室で簡単な通夜を済ませ、改めて葬儀・告別式を行うことになるようです。