喪主は誰が務めるのが一番よいのですか?
葬儀全般の責任者であり、弔問を受ける喪家の代表が「喪主」です。そのため、故人と血縁の深い人のなかから選ぶことが
一般的なようです。
たとえば、既婚者が亡くなった場合は残された配偶者が、配偶者も既に亡くなられていた場合は長男が、という順で考えていきます。配偶者と子ども全員で喪主を務めることもできます。
また、残された遺族が未成年の子どもだけという場合には、親族の中から後見人を立て、喪主とすることもあります。
施主とは、葬儀の費用を負担して葬儀の運営にあたる人のこと。喪主が施主を兼任するのが一般的です。 別の方が施主を務める場合は、葬儀社との打ち合わせには必ず参加してもらい、費用面についてお互いにきちんと確認しておきましょう。
<喪主となる順位>
1.残された配偶者 2.長男 3.次男・三男 4.長女 5.次女・三女 6.友人・知人
順位にこだわるより、家族で話し合って決めましょう。 弔問客の対応などで忙しい役割ですから、何もかも配偶者の方がとりしきるのは大変です。
親族がいない場合は誰に喪主をお願いすればよい?
血縁者がいない方や、いても海外で生活しているなどで通夜・葬儀に間に合わない場合には、
友人・知人が施主となって、
喪主の代わりを務めることもあります。
また、近頃では、葬儀社のスタッフが喪主を代行してくれるサービスもあります。
葬儀の役割分担
●世話役代表と葬儀委員長
葬儀の規模が大きい場合、喪主は多くの弔問客の対応に追われ、葬儀の運営に支障をきたしかねません。
このようなときは、喪主に代わって葬儀全般の細かい手配や進行役を務める「世話役代表」や「葬儀委員長」を立て、さらに細かい役割に分けた「世話役」を置くようにします。
世話役代表は、喪家と縁の深い人から選ぶことが多いようです。葬儀委員長は、社葬などの
場合に選出され、所属する企業や団体の代表にあたる方が任に就くことが一般的です。
●世話役の役割
世話役代表や葬儀委員長は、事前に喪主と葬儀の細かい打ち合わせを行ない、世話役の方々に喪主に代わって指示を伝えます。
どのような世話役が必要かは、葬儀の規模や葬儀会場によって異なります。一般斎場で葬儀を行う場合には、斎場の係員がほとんどのサービスを行ないますので、
受付と会計の担当を
決めておく程度でよいでしょう。
<主な世話役>
・受付係(香典や供物の受付や弔問客の案内)
・会計係(香典の整理や諸経費の出納を担当)
・進行係(式次第を喪家と打ち合わせ、進行がスムーズに運ぶよう手配する)
・接待係(僧侶や弔問客の接待)
・調達係(飲食物の購入をはじめとする調達品の管理)
・交通係(駐車場や式場付近の道路の交通整理など)
現金の管理をする受付係と会計係は、葬儀社では代行してもらえないことが多いです。なので、信頼できる親族や友人にお願いしましょう。
斎場で通夜を行なう場合、遺族は必ず泊まらないといけないのでしょうか?
現在では半通夜といって、夜6時頃から開始して、2~3時間で終了とする形式の通夜がほとんどです。 宿泊施設を備えた斎場もありますが、必ず泊まらなくてはいけないということではありません。
「亡くなられた当日の夜、ご家族と親近者だけで行う通夜を「仮通夜」といいます。
これに対し、祭壇・式場を整え一般の弔問を受ける通夜を「本通夜」といいます。
お通夜では、朝まで線香の煙は絶やしてはいけないと聞きました。本当ですか?
お線香の煙は上へ上へと伸びていくことから、昔から「天上への道しるべ」と考えられてきました。
そのため、かつては
お通夜の晩に御遺族や御親戚が交替でお線香の番をし、朝まで煙を絶やさないようにすることも少なくなかったようです。
また、「お骨になるまでお線香を絶やしてはいけない」というしきたりのある地方もあります。
しかし、現在では半通夜が一般的になってきたことや防災上の観点から、一晩中お線香を焚くことは少なくなっています。
故人が安らかに旅立てるように、無理のない範囲で心配りをしてあげましょう。
自宅で通夜を行なう場合に気をつけることは?
自宅でお通夜を行なう場合、大勢の会葬者が出入りするなど隣近所に何かと迷惑をかけがちです。
お通夜の準備を始める前には、ご近所や町内会の方に一言ご挨拶に回っておくとよいでしょう。
また、都市部の住宅では玄関が狭く、お棺が運びこめないことも少なくありません。このような場合は、自宅で通夜を行なうことはできません。
事前に確認しておきましょう。また、通常のエレベーターの広さではお棺の出入りに無理があるため、
マンションの上層階にお住まいの場合も、ご自宅での通夜は難しいでしょう。
遺族の服装で気をつけることは?
通夜・葬儀の席上、御遺族は喪服を着用し、胸元または腕に喪章をつけます。
男性の正式な喪服は、和装では黒羽二重の五つ紋、洋装では黒のモーニングですが、略礼服のブラックスーツを着用することが多いようです。
靴や靴下、ベルトなどの小物も黒で統一し、タイピンやカフスボタンなどは身につけないようにします。
女性は、黒羽二重の五つ紋に黒無地の丸帯が正式です。帯揚げや小物も黒で統一します。
洋装の場合は黒のアフターヌーンドレスが正式ですが、絹やウールなど光沢のない黒いワンピースや
ツーピースでよいでしょう。襟ぐりが大きく開いているものなど、肌を露出するデザインは避けましょう。
アクセサリーをつける場合は、真珠か光らない黒石を。真珠でも、二連のネックレスなどは
「不幸が重なる」と、縁起が良くないとされていてます。
一連のシンプルなネックレスを選びましょう。
会葬者からのお悔やみの言葉にはどのように対応すればよいのでしょうか?
通夜・葬儀を通じて、お悔やみの言葉に対しては「お忙しいところ、ありがとうございました」と簡単にお礼を述べるのがよいでしょう。
故人の死因についてなど、詳しく話す必要はありません。また、会葬者が多い場合などは、目礼するだけでも失礼にはあたりません。
なお、喪主や遺族が会葬者の帰りを見送ることは、縁起が良くないこととされています。弔問のお礼やご挨拶は、会場内で終えるようにします。
上司や目上の方には「お送りしてはいけないそうですから、こちらで失礼します」と一言添えるとよいでしょう。
いただいた供花・供物は、故人と血縁の深い順に棺の近くに飾ります。 血縁者以外の方々からのものについては、目上の方や役職の高い方から順に飾り付けます。 花輪についても同様で、玄関に近いほど血縁・親交の深い方からのものを並べます。
通夜ぶるまいとは、どのようなものですか?
通夜式の弔問客をもてなす宴席のことを「通夜ぶるまい」といいます。
告別式後にふるまわれる「精進落とし」より簡素なことが多いようですが、身を清めるという意味から、通夜ぶるまいの席では、お酒を出すことが通例となっています。
遺族(喪主)は、宴席が始まる前に挨拶をします。その後は、席についたままお悔やみを受けるのが作法です。
遺族(喪主)に代わり、親族や世話役の方が、お礼の挨拶に回わるようにしましょう。